第三回アクアメタル研究会 研究者シンポジウム

日時:平成23年10月8日(土)13:00~場所:ザ・プリンスパークタワー東京「コンベンションホールF・G」

第三回アクアメタル研究会 研究者シンポジウム

2011年10月8日、ザ・プリンス パークタワー東京にて「第三回アクアメタル研究会 研究者シンポジウム」を開催いたしました。第3回目を迎えた「アクアメタル研究会 研究者シンポジウム」では、4大学1研究機関によるアクアチタンの科学的検証と有効性についての研究成果が発表されました。アキレス腱の弾力性に対するアクアチタンの影 響、中枢神経系におけるアクアチタンの細胞内作用機序、筋損傷・筋疲労におけるアクアゴールドの有効性、アクアチタンの生物学的可能性など、アクアメタルが生体に及ぼす新たな可能性についての幅広い研究成果が発表され、医科学的に実証するものとなりました。今後のアクアメタル研究会の活躍にご期待ください。

Symposium movie
吉川 敏一先生
京都府立医科大学 学長 ルイ・パストゥール 医学研究センター所長 吉川 敏一先生

アクアチタン(チタンをナノレベルで水中に分散させた水溶性金属)の科学的メカニズムを引き続き解明するため、「第三回アクアメタル研究会 研究者シンポジウム」を2011年10月8日、ザ・プリンス パークタワー東京(東京都港区)にて開催いたしました。今回も、研究会代表でアンチエイジング(抗加齢)の権威として知られる京都府立医科大学学長およびルイ・パストゥール医学研究センター研究所長の吉川敏一氏がコーディネーターとなって、国内外5人の研究者が最新のデータを用いながらアクアチタンの有用性などを発表。リラックス効果をはじめ、筋肉や骨の細胞、中枢神経への作用など、様々な研究成果が明らかになりました。

研究発表1

デービッド・ローランド 先生
ニュージーランド・マッセイ大学 スポーツ運動学科上級講師 デービッド・ローランド 先生
走る速さとアキレス腱の弾力性に対する
アクアチタンの影響

今回は、アクアチタン含浸ウェアを着用した際のランニング能力と、アキレス腱の弾力性への影響をお話したいと思います。この研究成果は国際的に著名なスポーツ医科学雑誌「Medicine & Science in Sports & Exercise」にも掲載されました。実験では二重盲検法を用い、16名のサッカー選手に協力していただきました。選手には5日間の実験期間中、アクアチタン含浸ウェアを身につけてもらい、サッカーのゲームを模した「シャトルラン」と呼ばれるハードな走行テストを行いました。そして回復時・休息時においてランニング能力や筋の損傷、筋の痛みを検証していきます。この結果、アクアチタン含浸ウェアを着用すると関節可動域が拡大すること、ランニング能力が高まり速度が向上することがわかりました。運動をあまりしていない人では微々たる差ですが、とくにエリート選手はランニング能力が顕著に高まりました。私たちは今後もスポーツ科学分野でのアクアチタンの影響についてさらに研究を進めてまいります。

研究発表1
研究発表1

研究発表2

マーチン・コルテ 先生
ドイツ・ブラウンシュバイク工科大学 副学長 マーチン・コルテ 先生
中枢神経系におけるアクアチタンの細胞内作用機序
アクアチタンの作用機序:神経細胞のNa、
Kチャンネルの特性が変わる?
アクアチタンはいかにして神経細胞膜の
特性を変化させるのか?

前回、私は「アクアチタンテープを使うことによって過敏になった痛覚が緩和され、テープのアクアチタン濃度が高いほど過敏になった細胞が早く正常な状態に戻る」という研究成果を発表しました。また、低い電圧状態が神経細胞の安定性を示す静止膜電位の実験でも、アクアチタンテープの濃度が高いほど電圧の減少が確認されました。
これらの結果はマウスを使用した実験により得られたものですが、今回はファイテンさんの協力により人間に対する生体実験も行ってみました。身体のいずれかに慢性の痛みを持つ患者さん282名にアクアチタンテープを利用してもらいました。そのうち2/3の患者さんがアクアチタンテープを貼ることで痛みの感度が軽減するとおっしゃいました。この結果、脳に残る痛みの記憶が薄れ、ストレス軽減にも影響を与えることが示唆されています。またアクアチタンはニューロン(神経細胞)のカリウムチャンネルにマグネシウムを通して働きかけていることがわかりましたが、ニューロンのシナプス特性に影響を与えることなく、使用した濃度のいずれにおいても有害な結果は検知されておりません。今後はアクアチタンテープを貼った後に、どのような回復状況を示すかどうかも調べてみたいと考えています。

研究発表2
研究発表2

研究発表3

人見 裕司 先生
バイオマーカーサイエンス 副社長 人見 裕司 先生
アクアチタンのリラックス効果

アクアチタンには精神をリラックスさせる働きが認められますが、この効果を人間で確認するため、プラセボ対照無作為化二重盲検試験を行いました。まず1試験あたり、チタングループとプラセボグループ各6名、6部屋に無作為に割り当てます(被験者を変えて2回実施)。チタンルームは、アクアチタンを含ませたパーティション・床マット・シーツを使用し、ベッドをパーティションで囲みました。一方、プラセボルームはチタンを含まない素材で構成しています。被験者は心理学的・生理学的ストレスを自覚し、不眠症状を訴えている40~65歳のサラリーマンの男性。5泊6日の試験中、小型の心電図を24時間装着し、記録をつけていきました。 この結果、チタンルームに宿泊することによって、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の上昇を抑制し、自覚症状である緊張や怒りは治まり、活気が上がるという明確な改善が認められました。また交感神経活動や副交感神経活性については大きな優位性はないものの、チタンルームのほうがバラツキが少なく安定することがわかりました。以上により、アクアチタンは人間に対してもリラクゼーション効果を有すると考えられます。

研究発表3
研究発表3

研究発表4

青井 渉 先生
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科助教 青井 渉 先生
運動後の筋損傷・筋疲労とスポーツ現場における
アクアゴールドの有用性

スポーツフーズの世界市場においてはドリンクの比率が最も高く、今後も市場の拡大が予測されています。スポーツ愛好家を支援するうえでこうしたスポーツドリンクを開発することは非常に重要だと考え、今回はアクアゴールドの有用性に注目しました。アクアゴールドは金を水溶化したものですが、金とは異なる機能性を有する可能性があります。 そこで動物実験モデルを確立し、アクアゴールドの評価を行いました。まずアクアゴールドと水道水を飲ませたマウスに分け、それぞれランニングを負荷し、筋肉痛が起こる24時間後に分析を始めます。するとアクアゴールドには、高強度運動による骨格筋の酸化ストレス障害を抑制する働きのあることがわかりました。また、インスリン感受性が低下するⅡ型糖尿病のマウスにアクアゴールドと市販のミネラル水に分けて飲ませたところ、アクアゴールドには血糖値の上昇を抑える傾向もみられました。今後さらにアクアゴールドが筋損傷・筋疲労を抑制することについてさらに検討を進めていきたいと思います。

研究発表4
研究発表4

研究発表5

小川 隆広 先生
アメリカ・UCLA(カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校)歯学部教授 小川 隆広 先生
アクアチタンの生物学的可能性

チタンは生体親和性が高く、安定性があるので身体に入れても害がありません。そのため歯のクラウン(被せ物・差し歯)やブリッジ、デンタルインプラント(人口歯根)などの歯科器具、整形外科の治療にも幅広く使われています。
そこで今回はアクアチタンと細胞が接触した場合にどのような反応を示すか、骨細胞におけるアクアチタンの影響と、遠隔での効果について調べました。まずアクアチタンを表面に塗布したチタンディスクと、塗布しないチタンディスクの2種類を用意し、マウスの骨芽細胞をまきます。その結果、アクアチタンディスク上の細胞は、単なるチタンディスク上に比べて65%も多く細胞が付着。しかも細胞のサイズは大きく、手足を伸ばすような状態で広がりました。 次に、骨や腱などを構成するタンパク質のひとつであるコラーゲンの遺伝子を調査。アクアチタンの表面ではコラーゲンをつくる遺伝子が70~80%増しで発現し、カルシウムの沈着量も倍以上であることが判明しました。また、マウスの筋細胞を使った実験では、筋細胞の主成分であるアクチンやコラーゲンの形成が盛んに行われました。ということは、筋損傷した場合にもアクアチタンが筋肉のメンテナンスにポジティブに働くのではないかと考えられます。
そしてもう一つの実験は、アクアチタンと細胞が接触しない場合の遠隔効果について調べるためのものです。この実験では布やゴムにアクアチタンを含ませ、それを培養皿の外側に敷きます。そして皿の中で骨芽細胞や筋細胞を培養していくと、やはり骨をつくるタンパク質やカルシウム沈着量が増えました。接触の場合は骨芽細胞の増殖によくレスポンスしていましたが、非接触では筋細胞のほうがレスポンスが高いという面白い結果も出ました。
これらの結果から、将来的には骨折治癒を促進するサポーター、筋損傷・筋疲労を回復させるサポーターやテープ、切り傷の治りを早める絆創膏など、様々な医療グッズに応用できる可能性が広がっています。

研究発表5
研究発表5